2023年ダブルダッチ全国大会で日本一! 現代社会学科4年井上葉月さん
2024.06.06
こんにちは。JWU PR アンバサダーです。
今回は、ダブルダッチのチーム「B?lge(ボルグ)」で活動する人間社会学部現代社会学科4年の井上葉月(いのうえはづき)さんにインタビューをさせていただきました。B?lgeはインカレサークル「D-act(ディーアクト)」に所属するチームであり、2023年10月22日(日)ダブルダッチ全国大会『Double Dutch Delight Japan2023』のOPEN部門で日本一に輝いた後、12月3日(日)にニューヨークで開催された世界大会『National Double Dutch League Holiday Classic』にも出場した実力派チームです。そんなB?lgeの一員としての経験やダブルダッチの魅力など、貴重なお話をたくさん聞くことができました。
ダブルダッチを始めて、B?lgeの一員になるまで
井上さんとダブルダッチの出会いは大学1年生のときでした。小学生の頃にダンススクールに通っていた井上さんは、中学、高校時代はダンスから離れていましたが、大学入学を機にもう一度ダンスに取り組みたいと思っていたそうです。一方で、新しいものにも挑戦したいと考えてダンスのようにパフォーマンスを披露できるダブルダッチのインカレサークル、D-actに入ることを決めました。最初から全国大会や世界大会への出場を目指していたわけではなく、あくまでダブルダッチを楽しみたいとの思いで始めたそうです。
D-actでは、1年生は大会ごとに先輩に振り分けられたチームで出場します。初めて自分たちで自由にチームを組めるのは3月の大会です。そこで井上さんら6名が結成したチームがB?lgeでした。その大会出場後にチームを継続するかは未定でしたが、メンバーで話し合い、世界大会への出場を目標に3年の夏まで活動をすることを決めたそうです。
チームを繋ぎとめた共通の目標
「世界大会出場、そして日本一という共通の目標はチームメイトをつなぎ止める大事な要素でした」と語る井上さん。日々の練習の中で意見が対立してしまうときも、同じ目標に向かっている実感があったおかげで、やり切ることができたそうです。チームの中で井上さんは、練習に笑顔で取り組み、ミスが連続して雰囲気が険悪になったときには率先してメンバーに声をかけたりと団結力を高めることを意識されていました。井上さんの持ち前の明るさはダブルダッチのパフォーマンスの中にも生きています。
ダブルダッチの魅力が詰まった大会の雰囲気
ダブルダッチの大会の雰囲気を尋ねたところ、「観客との距離が近い」という答えが返ってきました。男女関係なく、みんなでできるダブルダッチだからこそ、出場者と観客、審査員とが一体となってパフォーマンスを作り上げ、全員で「楽しさ」を共有できる点がとても好きだと井上さんは話されていました。
B?lgeは、チームメンバーが2年生のときの2022年全国大会『Double Dutch Delight Japan2022』で準優勝を収め、3位以内が出場できるニューヨークのアポロシアターでの世界大会に出場し、チーム結成時の目標を早くも達成しました。ただ、目標としていた世界大会の様子は想像とは少し違ったようです。
「日本の大会とは異なり世界大会の審査員は、ダブルダッチの知識が無い方々だったため、技術よりもパフォーマンスの派手さが評価されている印象でした。2023年は、2022年大会で逃した日本一の称号を得ようというのが、チームの目標になりました」。
更なる練習を重ね、2023年に念願の全国大会優勝
練習は週4?5日、1日あたり2?3時間、大会前は5~6時間ほど行います。井上さんの生活はダブルダッチ中心です。履修を組む際も練習と被らない講義を選んだり、テストではなくレポート提出のものを選んだり工夫していたそうです。練習内容は、大会に向けて振り付けや音楽を考えることから、パフォーマンスのクオリティを向上させるために技の練習まで多岐にわたります。
パフォーマンスの振り付けは全てオリジナルで「エネルギッシュで元気」というB?lgeのイメージと審査員の好みを加味しながら自分たちで作り上げます。技にもチームオリジナルのものを取り入れています。
技のレベルをあげるためには、動画を撮って確認し、試行錯誤を繰り返して精度を上げているとのこと。また、大会で不測の事態が起こってもパフォーマンスを止めないよう、練習ではわざと引っかかって、立て直しの対策なども行っています。それでも大会では緊張や床のわずかな摩擦の違いで予期していないミスが起こります。そんな時には声を掛け合ってどれだけ早く軌道修正できるかが肝心だそうです。
「2023年の全国大会では、昨年準優勝していたので、昨年からどれくらい成長しているかが評価される立場にありました。そのため技をグレードアップさせる必要があり、振り付けも考えるのが難しかったです。日本一という目標に向かってチーム一丸となって練習を重ねてきたので、2023年の全国大会で目標を達成でき、本当に嬉しかったです」。
葛藤と克服、そして成長
B?lgeで多くの時間、練習を積み重ね、全国大会、世界大会の舞台で活躍してきた井上さんですが、ダブルダッチをやめようか迷った時もありました。ダブルダッチを楽しみたい気持ちがある一方で、「競争」やシビアな練習で心から楽しめていない状況に大変悩んだそうです。そんなとき、支えになったのは母親の「どんな決断をしても味方だ」という言葉と、友人の応援でした。家族、友人など周囲の人々の支えのおかげでここまで続けられたと、井上さんは語っていました。
最後に月並みですがこんな質問を投げかけてみました。
「井上さんにとってダブルダッチとは」
井上さんは迷いなく「良い意味でも、悪い意味でも自分を変化させ、成長させてくれたもの」と答えてくれました。
ダブルダッチを通して経験したことは井上さんの環境、感情、考え方を大きく変えました。
まず、ダブルダッチをやっていなかったら出会っていなかったであろう人たちと出会い、多くのコミュニティができました。そして、1人で新たなことに飛び込むことを経験し、積極性が身につきました。迷い、悩んだときでさえ成長がありました。葛藤を克服し、自分で決めたことには責任を持ち、一度決めたことはやり切る精神を学びました。
「大会で優勝を目指すことは2023年の全国大会優勝をもって一区切りにしようと思います。次の目標はダブルダッチを純粋に楽しむこと。そして、今まで支えられた分、誰かの支えになれるようになりたい」井上さんはそう熱く語りました。
(取材/文 JWU PR アンバサダー 人間社会学部教育学科2年 M.A、写真/本人提供、広報課)