球天下体育

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「食」分野で幅広く活躍!卒業生5名による食物学科講演会

2024.07.10

日本ハム株式会社 吉橋依莉さん、ハウス食品株式会社 宇佐見涼乃さん、株式会社虎屋 長谷川聡子さん、東京都立病院機構 藤中美波さん、埼玉県草加保健所 石塚史華さん

2024年6月15日(土)、家政学部食物学科主催の卒業生による講演会を開催しました。講師として本学食物学科の卒業生5名をお招きし、食物学科3年生75名と2年生の希望者が受講。幅広く「食」の分野で活躍されている先輩から、本学の開学以来の教育の三綱領である『信念徹底、自発創生、共同奉仕』を念頭にそれぞれの業務内容や大学での学びがどのように生かされているか、また就職活動へのアドバイスなどを伺いました。学生たちはメモを取りながら熱心に聞き、質疑応答ではキャリア形成や就職活動の進め方など次々と質問していました。

講師のご紹介

吉橋 依莉(よしはし えり)さん

 2018年家政学部食物学科食物学専攻卒業
 日本ハム株式会社 加工事業本部営業統括事業部CVS開発営業部

宇佐見 涼乃(うさみ すずの)さん

 2022年家政学部食物学科食物学専攻卒業
 ハウス食品株式会社 開発一部

長谷川 聡子(はせがわ さとこ)さん

 2014年家政学部食物学科食物学専攻卒業
 株式会社虎屋 生産支援部東京地区品質管理課

藤中 美波(ふじなか みなみ)さん

 2023年家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業
 東京都立病院機構 墨東病院栄養科

石塚 史華(いしづか ふみか)さん

 2023年家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業
 埼玉県草加保健所 保健予防推進担当

写真左 卒業生講演の前に、食物学専攻4年生の丑山結友さんが自身の内定獲得までの就職活動を振り返って、後輩たちへアドバイスをおくりました/写真右 講演会の会場
写真左 卒業生講演の前に、食物学専攻4年生の丑山結友さんが自身の内定獲得までの就職活動を振り返って、後輩たちへアドバイスをおくりました/写真右 講演会の会場

【日本ハム株式会社 吉橋依莉さん】
あこがれた「0から1を作る」食品開発

「シャウエッセン」「中華名菜」、チルドピザ「石窯工房」など、多数の市場シェアNO,1の商品を持つ日本ハム株式会社で、開発および営業を担当する吉橋さん。ハム?ソーセージ商品やコンビニのホットスナック等の開発を経験し、入社して7年目を迎えた現在は、「自分で開発したものを自分で営業する」仕事をしているそうです。大学では調理?食味評価学球天下体育室(飯田文子教授)で学び、とくに食べ物の物性への知識や調理学実習で学んだ調理法が業務に生かされていると話しました。また、「食物学科に入る前から、食品メーカーでの開発にあこがれていた」と学生時代を振り返り、開発の魅力は「0から1を作る」点だと紹介しました。

【ハウス食品株式会社 宇佐見涼乃さん】
食品開発で「思いを形にする」

「バーモントカレー」「フルーチェ」「とんがりコーン」等幅広いカテゴリーの製品を持つハウス食品株式会社で、商品開発を担当。宇佐見さんは業務用のカレーやコンビニ製品の調味料、濃縮ペーストの開発にあたって、市場調査や試食など幅広い領域で携わってきました。その中で食品開発の楽しさについて、「想いを形にできること」「試行錯誤しながら仕事ができること」「人と協力して仕事ができること」だと感じているそうです。就職活動については、「企業球天下体育として、その企業の製品やサービスを試してみよう」「面接では企業に最大の敬意を持ちつつ、リラックスして自分を見せよう」と後輩たちにアドバイスをおくりました。

写真左から 吉橋依莉さん(日本ハム株式会社)、宇佐見涼乃さん(ハウス食品株式会社)
写真左から 吉橋依莉さん(日本ハム株式会社)、宇佐見涼乃さん(ハウス食品株式会社)

【株式会社虎屋 長谷川聡子さん】
品質管理のプロフェッショナルを目指す

室町時代後期に京都で創業し、5世紀にわたり和菓子屋を営む株式会社虎屋で、長谷川さんは入社してから10年間、「食の安全?安心」を守る品質管理を担当しています。品質管理には大きく3つの業務があり、①工程管理(原材料調達から生産工程までの管理)②品質検証(原材料、製品などの検査による安全確認)③品質改善(不適合品の再発防止、未然防止)です。長谷川さんが品質管理職を志望した理由は、「学生時代に学んだことを生かせる仕事がしたい」「就職後も技術や知識を高められる、プロフェッショナルになれる仕事に就きたい」と考えたから。品質管理の仕事について「社内のさまざまな部門の人に関わることができるので、すごく楽しい」と話しました。

【東京都立病院機構 藤中美波さん】
病院の管理栄養士になるには「情報収集」が重要

14の都立病院とがん検診センターを設置?運営する地方独立行政法人 東京都立病院機構に入職し、墨東病院の栄養科に配属された藤中さん。入職1年目である昨年度は乾物?生鮮食品の発注を担当し、在庫管理の重要性や給食運営の資金について学びを深めました。今後は行事食の献立作成やチーム医療への貢献(床ずれを防止するための褥瘡(じょくそう)回診など)にも挑戦したいと考えているそう。また、就職活動サイトには病院の採用情報はあまり掲載されないことを指摘して、「就職活動は情報収集がとにかく大変。キャリア支援課による就職ガイダンスなども活用しつつ、友人と助け合って進めていた」と振り返りました。また後輩たちへ「就職活動はゴールではありません。一緒に成長できるよう頑張っていきましょう」とメッセージをおくりました。

写真左から 長谷川聡子さん(株式会社虎屋)、藤中美波さん(東京都立病院機構)
写真左から 長谷川聡子さん(株式会社虎屋)、藤中美波さん(東京都立病院機構)

【埼玉県草加保健所 石塚史華さん】
公務員試験に合格して保健所の管理栄養士に

草加保健所の保健予防推進担当として、特定給食施設に対する管理や実技指導、研修会の実施や、指定難病に関する問い合わせ対応、受動喫煙対策などを担当する石塚さん。保健所などの行政で働く管理栄養士になるには、管理栄養士の国家資格だけでなく、各自治体の公務員試験に合格する必要があります。石塚さんが行政への受験を考え始めたのは大学3年の8月。情報収集を進めた上で10月には本格的に公務員試験への勉強を始め、公務員試験を終えた後に管理栄養士の国家試験に向けて勉強をしたそうです。試験勉強と就職活動を両立させるコツは「満点を目指すのではなくて合格点をとるためにスケジュールを立てること」だと話しました。

写真左から 石塚史華さん(埼玉県草加保健所)、講演後の質疑応答で質問をする学生
写真左から 石塚史華さん(埼玉県草加保健所)、講演後の質疑応答で質問をする学生

【質疑応答】

本講演を受講した学生からの質問と回答を一部ご紹介します。

Q.
 農学部や工学部の方も志望する球天下体育開発の分野で、日本女子大学の食物学科で学んだことはどう生きているのでしょうか。
宇佐見さん(ハウス食品株式会社):食について幅広く学んでいることが日本女子大学の食物学科の強みだと思います。例えば食材の知識を学び、レシピを考える力を磨いたことで、食品パッケージの裏側に記載する調理方法について、「こう変えたらもっと分かりやすくなる」などと提案できました。

Q. 病院就職のためには試験があるとお聞きしましたが、どのような対策をすべきですか。
藤中さん(東京都立病院機構):試験内容は各病院によって異なると思いますが、臨床系だけでなく幅広く出題されました。対策としては管理栄養士国家試験の勉強をしっかりしていれば、十分だと思います。試験の点数だけで内定が出るわけではないので、国家試験の内容がきちんと答えられれば問題ないです。

【受講した食物学科3年生の感想?お礼の言葉】

私たちは食に関して幅広く学んできましたが、将来やりたいことが決まらずに、不安や焦りを抱えている学生も少なくありません。しかし今回お話を伺って、自分たちが今やるべきことについて具体的に考えるきっかけになりました。将来への不安も減って、さまざまな分野のお話を聞くことで視野を広げることもできました。今年の夏から本格的に就職活動が始まるので、まだ分からないことが多くて手探りの状況ですが、先輩方のお話を生かして、それぞれ自分に合った就職先を見つけられるように頑張りたいと思います。本日はありがとうございました。

※日本女子大学は、2025年4月に現在の家政学部食物学科を基とした、食科学部を開設予定です。