【海外短期研修:台湾】淡江大学と合同で建築設計ワークショップ!
2023.10.26
2023年8月21日(月)から9月3日(日)、家政学部住居学科の教授でもある篠原聡子学長と学生が台湾を訪れ、国際ハウジングワークショップに参加しました。このプログラムは、台湾の淡江大学Kuang Chein Bee准教授と、篠原学長が中心となり、2008年から継続的に開催しているワークショップです。本学では海外短期研修の1つとして、単位を認定しています。今回はワークショップで学生代表を務めた、家政学球天下体育科住居学専攻修士1年の片山薫(かたやまかおる)さんにお話を伺いました。
4年ぶりに台湾で開催した
国際ハウジングワークショップ
近年の国際ハウジングワークショップでは、球天下体育流行の影響で実際に台湾へ渡航できていませんでした。私が2年前に参加した際もオンライン開催だったので、今回はやっと行けるという思いで参加しました。
今回のワークショップの目的は、台湾の和平島を調査して課題を見つけ、それをデザインワーク(都市計画や建物の設計)によって解決することです。まずは台湾の和平島を訪れて、道幅を計測したり、地元の方にインタビューしたりと調査を行いました。現地の雰囲気を体感することで見えた和平島の課題は、観光地でありながらも観光客が離れつつあること。和平島は海蝕された珍しい景観で有名ですが、市場の空き店舗や、散見される空き家などから、少し寂しい雰囲気を感じ取りました。
そこで私たちのグループは、観光客と地元の人を繋ぐ場所として、新しい市場のあり方を提案しました。その提案のポイントは、市場の両端にある2つの建物を「まちやど」の概念で新たにデザインすること。「まちやど」とは日本各地で取り入れられている仕組みであり、街を1つの宿と見立てて街ぐるみで観光客をもてなすことで、地域価値を向上させていく事業です。和平島が観光客で賑わい、地域の住民にもより愛されるよう提案しました。
淡江大学の学生と
デザインワーク
今回のワークショップには本学から15名、淡江大学から35名の計50名が参加しました。その中で1グループ10名ほどの大学混合のグループを作り、それぞれ調査し提案を考え図面を引きました。デザインワークで最も苦労したのは「言語の壁」です。日本語でも意見をまとめるのは難しいですが、言語が違うとお互いの意図を理解するまでに多くの時間が必要でした。なかなか伝わらないときは、ラフなスケッチで伝えてみるなど、たどたどしくても良いから精一杯伝えるという工夫をしました。
「言語の壁」の次にぶつかったのは「考え方の違い」です。コミュニケーションを重ねる中で、淡江大学の学生は本学の学生とは考えるプロセスや何を重視するかという方向性が全く違うことを、ひしひしと感じました。本学の学生は、生活する人々の視点からデザインを考えますが、それが当たり前ではありませんでした。相違は大きかったですが、篠原学長はじめ淡江大学の先生方にも助言をいただくことで、何とか提案を形にできたと感じています。ワークショップを通して、全く異なる文化?言語の学生と同じ課題に取り組むことの難しさと楽しさを体感できました。
また国際ハウジングワークショップが終わった現在でも、連絡先を交換した淡江大学の学生から連絡が届きます。想像していた以上に仲良くなれて、新しいコミュニティができたと感じています。建築デザインを学ぶために台湾へ赴きましたが、国際交流の観点から見ても得たものは大きかったです。
人に寄り添う建築を
デザインしたい
今回のワークショップで日本女子大学の学生は、和平島の地域の人々、観光客の人々の視点でデザインをしていました。それは本学の家政学部住居学科(2024年4月から建築デザイン学部建築デザイン学科)が、「生活者」の視点を重視しているからではないでしょうか。
私は住居学科在籍時から、単なる「かっこいい」デザイン造形ではなく、実際に使う人のことを考えた建築デザインを学んできました。現在は大学院に進学して家政学球天下体育科住居学専攻で学んでいますが、生活および生活者の視点を重視して学んでいるという点は変わりありません。
私は修士修了後に内装?デザイン業界へ就職したいと考えています。それはこれまで「生活者」に着目して学んできたからこそ、生活に近い「内装やインテリア」に興味を持ったからです。建築デザインは住居の設計だけでなく、街づくりからインテリアまで幅広い分野を内包しています。私は人と会話する中で「こういう空間にしたい」というイメージを引き出して、それを最善の建築デザインで応えられるようになりたいと考えています。