「演劇」がつなぐ高知県梼原町と日本女子大学
2023.10.18
日本女子大学は2023年4月に高知県高岡郡梼原(ゆすはら)町と「相互協力に関する協定」を締結しました。
その取り組みの一環として、8月7日(月)~9日(水)まで、国際文化学部国際文化学科の木村覚(きむらさとる)教授の授業「芸術資料フィールドワーク」実施のため同町を訪問する予定でしたが、残念ながら台風の接近により訪問は中止となり、授業は本学目白キャンパスで行われました。
梼原町での授業の実施は叶いませんでしたが、木村教授の呼び掛けで「芸術資料フィールドワーク」の講師を務めた俳優の万里沙(まりさ)さん(人間社会学部文化学科卒業)と授業を受けた文化学科3年生の伊藤遥風(いとうはるか)さんと共に9月9日(土)と10日(日)の2日間、本学社会連携教育センター協力のもと梼原町を訪問しました。
娯楽の殿堂「ゆすはら座」で
“演じる”ことと向き合う
梼原町では、吉田尚人町長自らが3名を温かく迎えてくれました。また、今回の行程には、地元梼原高校の1年生3名も参加してくれました。
初日のメインイベントは、県内唯一の木造芝居小屋である「ゆすはら座」での演劇ワークショップ。本学学生の伊藤さんと梼原高校の3名は、万里沙さんのレクチャーのもと、台本を通して“演じる”ことを体験しました。時代を超えてこれまで数多の芝居や歌舞伎、映画上映が行われ、娯楽の殿堂とも呼ばれる「ゆすはら座」で自ら“演じる”ことに触れ、学生、生徒の4名にとって貴重な経験となったようです。
夕食後には、来年度開設する建築デザイン学部で特別招聘教員を務める隈研吾先生の設計した梼原町立図書館(愛称:雲の上の図書館)を見学させていただきました。
地元高校生が
梼原町の魅力を紹介
2日目は、地元高校生3名との懇談会から始まりました。高校生からは東京での暮らしや大学生の学生生活について質問が挙がり、伊藤さんが1つひとつ丁寧に答えました。一方、高校生たちからも梼原町での生活について教えていただきました。
お互いの理解がさらに深まったところで、みんなで梼原町を散策することに。茶堂や和田城、久保谷セラピーロード(水路に沿った森の散歩道)など梼原町の伝統や自然を感じられるスポットの他にも、高校生たちのお気に入りスポットも案内していただきました。
行程は無事に終了し、梼原町の魅力を肌で感じとることができた2日間となりました。梼原町を案内してくれた高校生3名とも来年以降の再会を誓いました。
今回の梼原町の訪問について、木村教授は「自然と伝統が豊かな梼原町で、地元に暮らす高校生のみなさんと都会暮らしの大学生とが出会い、ともにひとつのことに取り組むことには、とても深い意義を感じております。また、『演劇』はコミュニケーションの芸術です。この技法を活用しながら、互いが互いにないものを発見し、新たな人生を見出してゆく、そうした活動を続けてゆけたら幸いです」と話します。
梼原町と本学の国際文化学科および文化学科は、今後も演劇をベースとした交流を続けていく予定です。