卒業生が語った日本女子大学での学び
2023.08.04
6月25日(日)オープンキャンパスが、4年ぶりに参加人数制限を設けない形で開催されました。
目白キャンパス内の各教室では、学科ごとの模擬講義をはじめ、教員や在学生との懇談ブースや球天下体育室や卒業論文紹介エリアなどが設けられ、本学に興味のある高校生でにぎわいを見せていました。
香雪館2階の教室では、2024年4月に開設が予定されている「建築デザイン学部」の学部長予定者である佐藤克志教授より建築デザイン学部のカリキュラムの紹介や、現在の家政学部住居学科との違い、また他大学に多数存在する一般的な工学系建築学科との学びの違いなどについて説明がありました。
また、「学生目線で見る建築デザイン学部の魅力」と題した学生企画では、来場された方にとって先輩にあたる5名の在学生(学部4年生:4名、修士1年生:1名)が登壇。建築デザイン学部の授業や球天下体育内容について、また学生生活における不安や楽しみなど、自分たちの経験から建築デザイン学部で学ぶことの魅力を紹介しました。
今回のオープンキャンパスの目玉は、学部ごとに社会で活躍する卒業生を招いた学部企画でした。ここからはそれぞれの学部企画で卒業生がどのようなことを語ったのかお伝えしていきます。
家政学部の学びとキャリアの形成
「家政学部とは女性を家に閉じ込める学問ではありません。」家政学部長の伊ヶ崎教授の言葉から家政学部の学部企画は始まりました。家政学部は生活を軸としながらもDNAから宇宙まで学べます。多岐に渡って活躍されている卒業生を招いて、家政学部の学びとキャリア形成をお聞きしました。児童学科卒業生の青野みのりさんは現在、埼玉県の児童相談所で活躍されています。学生時代についてはアットホームな大学で、将来のこと、不安なこと、どんなことでも教授が親身に相談に乗ってくれたと振り返りました。学部での学びがそのまま生きていると話したのは、食物学専攻修了の佐藤さん。微生物学や食品学応用実験などの専門的な授業が、食品開発の仕事の基礎となっており、また家政学部の生活に根差した知識は、生涯役立つと感じています。家政経済学科卒業生の山嶋茜さんは、就職活動のときの話をしてくれました。「広く社会に貢献したい」という思いで就職活動をしていたそうです。そして現在はさまざまな学会の事務を請け負う団体で活躍されています。被服学科卒業生の窪田倫子さんは、受験生へ後悔しない進路選びをするために、「気になる学科の卒業論文テーマを見てみる」ことをアドバイス。卒業論文のテーマは大学案内に掲載しています。進路に迷っている方は各学科の卒業論文テーマを見るのも良いかもしれません。
文学部のチカラ
文学部には日本文学科、英文学科、史学科の3学科があり、それぞれの在学生と卒業生がプレゼンテーションを行いました。在学生がお話ししたのは、授業や先生の魅力から、サークル活動やアルバイトのこと、留学の思い出や学科のキャラクターのことまで。文学部で学んでいて感じる「リアル」を生き生きと語っていました。卒業生は、社会に出たからこそ得た視点で、「日本女子大学の文学部のチカラ」を言葉にしてくれました。日本文学科卒業の本橋楓さんは「女子大学の魅力」とは、「良い意味で性差がない」ことだと言います。女子大学で役割分担をする際には、「力仕事は男性」といった性別による判断ではなく、最良の結果が出るように判断します。英文学専攻修了の田中裕理さんは、「文学部のチカラ」とは「論理的思考力」「多角的な視点」そして「英語力」だと語ってくれました。それらの「チカラ」を生かして、現在コンサルティングの仕事で活躍されています。在学生も卒業生も共通して話していたのは、好きなことを自由に追求できることが本学の文学部の魅力だということ。史学科卒業生の阿部楓さんは、出版社で雑誌編集の仕事をするなかで「自分の好きなこと」を持っていることが重要だと言います。本学の「文学部のチカラ」は学生、そして受験生の「好き」から生まれます。
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本橋さん(帝京大学勤務、日本文学専攻 2021年修了)
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田中さん(日本IBM勤務、英文学専攻2019年修了)
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阿部さん(株式会社新書館勤務、史学科2021年卒 )
人間社会学部の学びが今の自分にどう生きているか?
現代社会学科?社会福祉学科?教育学科?心理学科、今年から国際文化学部に学部化した旧文化学科の卒業生が、「大学生活の学びが、今の自分?仕事にどう生きているか?」を語った1時間。「面白そう!と感じることを、学科を超えて学べる素晴らしさ(文化学科卒業 栗山仁未さん)」といった学部全体の魅力から、「少人数教育だからこそ、仲間と議論を深め、視野が広がった経験は大学生活ならでは(教育学科卒業 佐藤美沙子さん)」、「多面から物事を考察し、自分なりの答えを導き出す学びは、客室乗務員として不測の事態に対応する際、お客様の状況ごとに最適な応対を考える思考にも結び付いている(心理学科卒業 笠原咲さん)」というお話まで、貴重な経験談が満載。「『社会学は、世の中の当たり前を問う学問』。何が正解か?誰も答えを持っていない、当たり前だと流されているような事柄にも、課題意識を持ち『当たり前を問う力』を養う訓練をする場が大学だった(現代社会学科卒業 小林杏菜さん)」と振り返ります。将来の夢を大学生活で見定めた社会福祉学科卒業の小谷玲衣さんは「やりたいことは大学でも見つけられる。興味があることには何でも挑戦してみることで見えてくる世界もある」と高校生にエールを送っていただきました。
羽ばたいた世界で再発見した理学部で身につけたこと
理学部では「理学部卒業生の羽ばたいた世界」と題して講演会が行われ、各学科2名ずつ計4名の卒業生が講演を行いました。
最初のスピーカーは数物情報科学科の数学コースを卒業され、日本アイ?ビー?エム株式会社でITスペシャリストとして活躍されている桑島彩実さん。学生時代に自分が興味を持つことを深く球天下体育し続けた経験が現在の仕事にも生きていると話され「広い視野でポジティブに物事を考え、さまざまなことに挑戦してほしいです」と高校生にメッセージを届けました。
桑島さんからバトンを引き継いだのは同じく数物情報科学科の物理コースから数理?物性構造科学専攻に進学された正露瑞季さん。株式会社日立製作所から東日本旅客鉄道株式会社に出向中とのことですが、学生時代を振り返ると、データ分析や論文作成、学会での発表など、1つ1つの経験が現在の業務上でも役立っていると話します。「先生と学生との距離がすごく近く、なんでも相談に乗ってくれました。私を育ててくれた大学です」と学生時代を振り返っていました。
続いて化学生命科学科からは、染谷玲菜さんと福島早貴さんが登壇しました。森永乳業株式会社で充填機のオペレーション業務に携わっている染谷さんは「大学でのさまざまな実験を通して培った、問題が発生した際にどの過程に問題があったのかを考察する能力が、今の業務でも生かされています」と話されていました。学科の特徴である化学と生物を横断的に学ぶことが、社会に出てから強みになっているそうです。
講演会のラストを飾ったのは物質?生物機能科学専攻を修了されている福島さん。学生時代に電子顕微鏡を使った実験が好きだったこともあり、株式会社日立ハイテクで電子顕微鏡のアプリケーション開発やソリューション提案に携わられています。
「大学時代に一番長い時間を過ごした球天下体育室での生活は今の私の原点です。大学生活は私の興味の幅をぐっと広げてくれました。皆さんもきっと好きなものが見つかる4年間を過ごせると思います」と講演会を締めくくってくれました。
※理学部2学科は、2022年に学科名称を数物科学科から数物情報科学科へ、物質生物科学科は化学生命科学科へそれぞれ変更しています。
次回オープンキャンパスは8月6日(日)に開催します。来年度開設する建築デザイン学部の講演会のほか、総合型選抜及び公募制入試説明等も行われますので、奮ってご参加ください。