【フードドライブ@JWU インタビューVol.2】食品ロスについて私たちができること
2022.11.25
JWU PR アンバサダーが食品ロスについて被服学科 細川幸一教授に聞きました!
日本女子大学では、11月14日(月)より「フードドライブ@JWU」を実施しており、私たちJWU PR アンバサダーもこの活動に協力しています。
今回の活動に先立ち日本の食品ロスの現状について調べて見ると、農林水産省の発表では、年間の食品ロス量は522万トン(内訳:家庭系食品ロスは247万トン、事業系食品ロスは275万トン)。また事業系の食品ロスは4業種に分類でき、食品製造業121万トン、食品卸売業13万トン、食品小売業60万トン、外食産業81万トンとなっています(令和2年度推計値)。
この数字からも分かるとおり、一口に食品ロスといっても、考えるべき観点は多そうです。
今回は、私たちが食品ロスに関してどのような取り組みができるのか、 消費者教育をご専門とされている被服学科の細川教授にお話を伺いました。
消費者として目に見えないところまで考えるべき
—— ここ数年、日本の食品ロスは減少傾向にあるようですが、それでも大量の食品ロスは発生しているように感じます。食品ロスについて私たちはどのように考えればよいのでしょうか。
細川教授:食品ロスを考える際は、見た目の量ももちろん大切ですが、食品が作られる過程でどのような影響を与えているかも考える必要があります。環境への悪影響や人権の侵害はもちろん、たとえば世界には貧困に苦しんでいる子どもたちがいるのに、我々は穀物を大量に使って食肉を作って食べているわけです。それは正しいことなのかという問いかけもあります。みなさんには、食品をロスしないというだけではなくて、このような問題も考えていってもらいたいです。
——フードドライブは家庭の食品ロスに関する取り組みですが、家庭内でのロスを減らすにはどのようなことが考えられますか?
細川教授:賞味期限や消費期限が近いものは、ロスになりやすいですよね。なので、シンプルに言うと期限に気をつけて消費しましょうということになります。ただ難しいのは、スーパーやコンビニなどでは陳列棚で商品を後ろに足していくので、後ろのものの方が消費期限は長くなります。では我々はどちらを取るべきか?ということです。個人が賢く消費するには期日の長いものを買いましょうとなるけれど、環境のことを考えると古いものから取るべきなんですよ。3日後に食べるものであれば、消費期限が明日では問題ですが、もし今日中に食べるのであれば1週間後に消費期限が来るものではなく、明日のものを取った方が食品ロスは抑えられます。買い手としての消費者の「賢い消費」が、小売業者の食品ロスを増やすことに繋がっているかもしれない。その点についても消費者側である私たちが考えていかなければ、全体で食品ロスは減っていきません。「消費者市民」としての「消費する者の責任」が問われています。
——食品ロスが環境にもたらす悪影響についても教えてください。
細川教授:食品を廃棄するにはコストがかかります。また食品ロスになったということは、人間が食べていない過剰な生産をしているということでもあります。過剰な生産やそれに伴う廃棄のコストは金銭面だけではなく環境にも負担をかけています。その結果、環境破壊や地球温暖化への影響が考えられます。昔は工場などの産業廃棄物が問題といわれていましたが、今は個人の消費者がもたらす環境への負荷が非常に大きいです。
——食品ロスに関して、私たち大学生にもできる取り組みはありますか?
まずは意識がないと行動できませんよね。また、意識があっても行動に移さないと意味がありません。意識し、身近なところから取り組めるという点で、「フードドライブ@JWU」は良いのではないでしょうか。
食品ロスに関しては、やれることからやっていく、そしてシステムを変えていくことの両方が今後必要になります。小さいことでも一人ひとりが意識を持ち、やれる範囲のことをやることが、行政など大きな力を動かすことにつながるのではないでしょうか。
取材?文/JWU PR アンバサダー 西部あかり、川野夏実
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※本学の学生を対象にした活動です。一般の方は参加できませんので、あらかじめご了承ください。