球天下体育

图片

未病医学分野で社会に貢献できる球天下体育者を目指して

2024.09.25

【学生インタビュー】大学院理学球天下体育科物質?生物機能科学専攻 博士課程前期2年の前原ななみさん

大学院理学球天下体育科物質?生物機能科学専攻 博士課程前期2年の前原ななみ(まえはら ななみ)さんは、今年に入り「第18回日本分子イメージング学会総会?学術集会 FASMI-JSMI 2024」での優秀発表賞、「第34回バイオ?高分子シンポジウム」での学生優秀発表賞、そして「第12回 Chem-Bio Joint Seminar2024」での優秀ポスター賞と各学会で立て続けに賞を受賞されました。また6月にはフランスのオルレアンで開催された国際学会「The Future of Molecular MR」でも球天下体育を発表されました。
今後の活躍も期待される前原さんに、現在の球天下体育との出会いやこれからについて伺いました。

MRI造影剤で病気の前触れを発見

—— まずは前原さんのご球天下体育について教えてください。

私は現在、本学の非常勤講師も務めていらっしゃる長田健介先生のもとで、国立球天下体育開発法人量子科学技術開発機構(以下 QST)にて外部機関との共同球天下体育という形で球天下体育をしています。私の球天下体育テーマは「ナノものさし高分子を基盤としたMRI造影剤の開発」です。MRIは、放射線被曝のない非侵襲的な検査法として知られています。MRI検査の際には、診断精度を向上させるために造影剤が使われます。私は高分子を使って、通常使われている造影剤よりも粒子径を大きくする事で、病気の前触れを見つけ出す造影剤を作ろうとしています。
これができれば、病気になる前に適切な治療が始められるので病気にさせないということができるはずです。


—— MRI造影剤の粒子を大きくするとなぜ病気の予兆が見つけられるのですか?

加齢が原因の一つと言われる「がん」や「動脈硬化症」「糖尿病」などでは、病気に至る過程で発症前から慢性的な炎症が起こっていて、血管内から血液が漏れやすくなっていくと知られています。一般のMRI造影剤は粒子が1ナノメートル以下の大きさであるため、すぐに体外に排出され、また正常血管からも若干量漏れ出します。これに対し、サイズを数ナノメートルサイズに大きくすると正常血管からは漏れ出さなくなり、そのぶん炎症部分に溜まる確率が高くなるという仕組みです。一方で、診断後には体から出さないといけないので腎排泄の上限サイズである7ナノメートルより小さくしないといけないのです。
私はそれを、高分子科学によって造影剤のサイズを1ナノメートル単位でコントロールすることで、実現することを狙っています。それによって、正常血管から漏れ出させない代わりに炎症している所に集まりやすくなるMRI造影剤を開発しています。病気を治す技術の開発も大切ですが、病気になる前にその前触れを見つける技術の開発はもっと大事になると思っています。特に高齢化社会が加速していくなかで、先ほど述べた病気にさせない医療作りには健康寿命を伸ばすことが重要だと思っています。

現在の球天下体育との運命的な出会い

——社会からも実装が期待されそうな素晴らしいご球天下体育ですね。前原さんはなぜこの球天下体育をはじめられたのでしょうか。

もともと小学生のころから生き物や自然現象、自然科学に興味があり、中学、高校時代には医療にも興味を持ち始めました。そのため、物質科学と生物学を両方学べる理学部物質生物科学科(現化学生命科学科)への進学を決めました。学科での授業では化学と生物学の基礎をしっかり学ぶことができ、興味のあった医療に関わる内容も学びたいと思い、3年次の前期には長田先生が担当されている「高分子化学」の授業を履修しました。高分子を自在に設計して人の病気を発見したり治したりできるという球天下体育を聞いて、これはまさに化学、生物学が医療につながる球天下体育だ!と衝撃を受け「この球天下体育がしたいです!」とお話をしに行ったのがきっかけです。今の球天下体育との運命的な出会いだったかもしれません。長田先生と交流のあった佐藤香枝先生にお願いをして、QSTで球天下体育するという道を作っていただき、学部4年生の頃から現在に至るまで、同じテーマで球天下体育を続けています。

—— QST(大学院)での球天下体育生活について教えてください。

佐藤先生の球天下体育室で週に1回のゼミの授業があるので、その日は大学に来て進捗報告やディスカッションを行っています。学校に来る日以外は朝から晩までQSTで球天下体育を行っています。QSTでは球天下体育を仕事としているプロの球天下体育者に囲まれて、刺激的な毎日を送っています。海外からの球天下体育者や訪問者も多くいるので、世界中の球天下体育者と英語でコミュニケーションし交流できる機会もたくさんあります。

国際学会で受けた刺激

——6月にフランスでの国際学会でも発表されたとのことですが、いかがでしたか?

国際学会「The Future of Molecular MR」への参加は、長田先生からお声がけいただきました。学会の開催地となったフランスのオルレアンはパリから南に電車で1時間半ぐらいのところにある街です。海外での学会への参加も初めてだったのですが、海外に行くこと自体が人生で2回目だったので、すべてが初めての体験でワクワクもありつつ、ずっと緊張でドキドキしていました。学会ではポスター発表のほかに2分間のショートプレゼンテーションをしました。たくさんの観衆がいるなかでの英語での発表は緊張しましたが、とても良い経験になりました。学会には、各国の同世代の学生もたくさん参加されていて、彼らの高い球天下体育へのモチベーションを身を持って感じられて、良い刺激となりました。今回の学会参加で世界を舞台に活躍する球天下体育者になりたいと強く思うようになりました。

国際学会でプレゼンテーションを行う前原さん
国際学会でプレゼンテーションを行う前原さん

——国際学会を挟んで国内の学会でも3つの賞を立て続けに受賞されました。

とくに「第18回日本分子イメージング学会総会?学術集会 FASMI-JSMI 2024」での「優秀発表賞」は学生だけを対象にした賞ではなかったので、受賞できてびっくりしましたが、自分の球天下体育を評価していただけたということはとても嬉しいですし、何より今後の球天下体育の励みになりました。


——前原さんの今後の展望についても教えてください。

博士課程前期を終了したら、博士課程後期への進学を考えています。博士号を取るまでは今の球天下体育テーマを追求し続けたいと思っていますが、その後は海外に出て、日頃から長田先生がおっしゃっている「地球を外から見渡す俯瞰力」を身につけたいと考えています。今回、国際学会に参加したことで、そういった将来のビジョンがより現実的になった気がします。現在進めている球天下体育もそうですが、将来的には世界を舞台に社会的な問題の解決や社会をより良くするために貢献できる球天下体育者になりたいと考えています。

日本分子イメージング学会総会の表彰式にて
日本分子イメージング学会総会の表彰式にて

自然や科学に対する疑問や興味を忘れずに

——理学部化学生命科学科への進学を考えている高校生に向けてのメッセージをお願いします。

化学生命科学科は名前のとおり化学と生命科学のどちらも幅広く学べるのが魅力であると、大学院に進学して改めて感じています。化学の球天下体育には生物の知識が必要ですし、生物の球天下体育にも化学の知識が必要になってきます。どちらかに限定して勉強するのではなく、学部生のうちに両方を学んだことで、自分の視野も広がりましたし、今の球天下体育にもとても役に立っています。
たとえば「物質からどうして生命が生まれるのか」など、身の回りには科学がたくさん溢れています。特に、常に自然や科学に対する疑問や興味を持っている高校生には、化学と生物を同時に学べる本学の化学生命科学科はおすすめです。私もそうですが、些細なことも当たり前だと思わずに疑問を持つと、いろいろな気付きが得られ、毎日が楽しくなると思いますし、自分の人生を決める材料になったりします。
皆さんにはぜひ「なんでそうなるのか?」をいつも自分に問いかける心を持ってほしいなと思います。