センター所長メッセージ
センター所長メッセージ
2024年度 JWU女子高等教育センター所長メッセージ
本学では、2024年度から新しい学位授与方針(ディプロマ?ポリシー、DPと略)の運用を開始しました。その新しいDPとは、一から作り直したのではなく、達成度の可視化を意識しながら昨年度までのDPを見直したものです。
新しいDPでは、達成度を評価しやすいような記述にすると同時に、DP全体の構成も見直しました。これまでは、大学、学部および学科のそれぞれでDPを策定していましたが、2024年度からの新たなDPは、学位プログラムの管理?運用の主体である学科DPを重視し、学部DPの策定をやめ、さらに、大学DPはすべての学科のDPを包括するような表現にすることとしました。
DPを含めた、いわゆる3ポリシーの見直しが完了しその運用を開始した今、本学に課せられた喫緊の課題の一つは、DP達成度の可視化です。DPで提示している内容は、学生から見れば到達目標、教員側から見れば学修成果(教育効果)と捉えることができます。授業ならびに課外の活動などを通して学生が身につく力がDPとして提示され、学生はその力が身につくように自ら努力しなければなりません。一方、教員側も、DPで提示した力を学生が身につけるように努力しなければなりません。達成度が低ければ授業のやり方を改善し、必要があれば学位プログラムを見直していくことが求められます。これらのことから、学生も教員も、DPをどれくらい達成できたかを定期的に評価しなければなりません。
達成度評価では、同じ基準で、できれば客観的なエビデンスに基づいて行うことが重要で、理想は、学生と教員の両者が納得する評価であることです。各授業の成績をある基準にそって点数化し、その点数を一定のルールに従って処理して、学生一人ひとりのDP達成度レベルを数値化する方法は、たしかに達成度の可視化に通じる方法の一つです。しかし、算出された数値が学生にとってどれだけの意味があるのかを考えた場合、機械的に達成度レベルを算出するやり方には躊躇せざるを得ません。
それぞれの科目には、学科DPに紐付けされた達成目標が定められています。その記述は、より具体的です。したがって、達成度をみる試験などを行った後、具体的に何が出来るようになって、何についてはより一層の努力が必要なのかについての説明、すなわち教員から学生へのフィードバックは、学生にとっては非常に有益です。多くの科目でこのフィードバックが徹底できたなら、それはDP達成度レベルの数値化よりも、はるかに意味のあることのように感じられます。もしもこのような土台の下でDP達成度に関する学生対象のアンケートが行われるのであれば、より信頼性のある、学位プログラムの改善にも繋げられる結果が得られるのではないかと考えています。
全国の大学で達成度の可視化の実質性が問われています。このような中、しくみの構築自体を目的化することなく、教員の負担も考慮ながら、学生に資するようなDP達成度の評価と可視化のしくみを考えて推進していきたいと考えています。
和賀 祥
歴代センター所長メッセージ
大分前のことですが、私が理系の大学生だった頃、学生実験で実験レポートの作成と提出が課された時には、期限までに提出することを目標に必死に取り組んだのを覚えています。レポートは返却され、そこにはBとかCなどの評価がありましたが、自分のレポートにおいてどの点を改善すべきなのかを知ることはできなかったように思います。
球天下体育いま全国の大学で進められている学修者本位の教育への転換は、ほとんどの大学教員は経験したことのないスタイルの教育への転換と言えます。教育のパラダイムシフトと言っても過言ではありません。一方、「学修者本位」という言葉だけからは、当然いままでも学生のために教育を行なってきたのですから、何を変えようとしているのか理解されないように思います。
球天下体育球天下体育による感染症パンデミック、地球温暖化に起因する自然災害など、日常の生活を脅かす大きな出来事が起こっています。そこで直面する種々の問題には、地球レベルの問題もあり、容易に答えは見出せないものが少なくありません。さらに、ICTやAIといった情報通信技術の発展などに伴い、以前には想像もできなかった社会になりつつあります。
球天下体育JWU女子高等教育センターは、本学における教育活動の改善を継続的に推進し、またその実施を支援する機関として、令和元年度に発足しました。その設立2年目に、センター所長を務めさせていただくこととなりました。大学における「教育のあり方」が問われる中、本学の優れた教育を可視化し、大学全体の力として機能させることをめざして精一杯努めて参ります。どうかご理解とご協力をお願い申し上げます。
球天下体育2019年6月1日付で本学にJWU女子高等教育センターが設置され、教育施策を実施するとともに教育活動の継続的な改善の推進及び支援を行うこととなりました。
球天下体育